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白雨コレクション

 白雨(はくう)コレクションは、蒲原信一郎氏(1905~2001年 号「白雨」)が長年収集された古美術品のうち、平成15年(2003)3月に御遺族から寄贈していただいた444件925点の陶磁器類です。
 佐賀出身ということでコレクションの主体を占めるのは鍋島藩窯や肥前の陶磁器ですが、その他にも、福岡など九州の陶磁器、萩、備前など中国地方の陶磁器、京焼や和歌山など関西の陶磁器、瀬戸・美濃の陶磁器など多彩で、茶道に親しまれた方らしく茶道具を意識した陶磁器も多く含まれます。中国陶磁は鑑賞陶磁が中心ですが、時代に偏りなく漢代から近代まで多岐にわたります。さらに韓国や東南アジアの陶磁器まで、東洋の多種多様なやきものが卓越した鑑識眼と情熱によって収集されています。

蒲原信一郎(かもはら しんいちろう)氏(号「白雨」) 略年譜

明治38年(1905) 佐賀県佐賀市諸富町で古賀卯三郎・千代子夫妻の三男として生まれる。
明治41年(1908) 伯母・蒲原ソノの養子となり、蒲原家の家督を継ぐ。
大正7年(1918) 佐賀市立佐賀商業学校(大正10年に佐賀県立となる)入学。
佐賀商業学校時代に古美術蒐集を始める。
大正12年(1923) 佐賀県立佐賀商業学校を卒業後、長兄の経営する海産物製造業の古賀商店に勤める。営業で全国を回りながら古美術の蒐集を続ける。
昭和39年(1964) 東京の養子正氏のもとに移る。
昭和41年(1966) 竹中工務店入社。古美術の見識を買われて竹中工務店のゲストハウスに住み込み、古美術コレクションの管理などに当たる。
昭和60年(1985) 『色鍋島の美』(岩波書店)出版に協力し、実質的な監修を行う。
平成7年(1995) 竹中工務店退職。
平成13年(2001) 11月12日逝去(享年96)。