佐賀県立博物館|佐賀県立美術館

REPORT学芸員だより

「肥前さが幕末維新博覧会プレ企画展 没後150年 草場佩川(くさばはいせん)-奇才の遺産―」が開催されます。

2017年10月30日 展覧会

平成29年12月22日から平成30年2月4日まで、佐賀県立博物館と多久市郷土資料館で、「肥前さが幕末維新博覧会プレ企画展 没後150年 草場佩川(くさばはいせん)-奇才の遺産―」が開催されます。

草場佩川、「くさばはいせん」と読みます。佐賀県多久の出身です。
その名になじみのうすい方も多いのではないでしょうか?
しかしながら、幕末の佐賀、そして日本の教育、詩書画の世界では広くその名を知られた人物で、幕末維新期の佐賀の先人の列に実は欠かすことのできない人物です。

例えば、こんなふうです。
○初めて対馬(それまでは江戸)で行われた朝鮮通信使との幕府側応接に25歳で加わり、その詩文
 や書画を通信使たちが「奇才」として絶賛
○10代藩主鍋島直正の信任を受け藩政に参画、11代藩主直大の侍講をつとめる
○佐賀藩校弘道館の教授として、副島種臣、江藤新平、大隈重信など、後に活躍する多くの人材を育成
○吉田松陰や福沢諭吉の師、緒方洪庵ら全国の学者、教育者と交流
○現在の考古学に相当する分野にも識見あり
また、詩吟の世界では、今でも佩川の詩が詠われています。

今回の展覧会では、次のような作品等が展示されます。
○朝鮮通信使の行列など対馬での様子を描いた「津島日記」(多久市郷土資料館)
○佩川の出身地多久の名産、女山大根の絵(多久市郷土資料館)
○多久領主の肖像画(県立博物館)
○自ら字を書かなかったとされる大隈重信17歳のときの自筆の書(県立博物館 県内初公開)

没後150年、草場佩川(くさばはいせん)を扱った初めての本格的な展覧会です。
ぜひ、佐賀、多久両会場に来館され、佐賀が生んだ「奇才」の残した遺産に触れてください。
詳しいことは、当館ホームページ「展示案内」をごらんください。
https://saga-museum.jp/museum/exhibition/limited/2017/10/001675.html

また、佐賀県立佐賀城本丸歴史館発行の「佐賀偉人伝」第11巻は、草場佩川の巻です。
全国書店、ウエブ書店で好評発売中のほか、県立博物館、佐賀城本丸歴史館でも販売しています
(電子書籍版もあります)。
内容など詳しくは、「佐賀偉人伝」https://saga-museum.jp/sagaijinden/ をごらんください。

草場佩川偉人伝

展覧会に行ってから読むか、読んでから行くか、いずれにしても興趣の増すことまちがいなし。
この機会にぜひ「佐賀偉人伝11 草場佩川」をお買い求めください。