鉄絵緑彩松樹文大皿

重要文化財 / 佐賀県重要文化財
鉄絵緑彩松樹文大皿
- 生産地
- 肥前 武雄
- 制作年代
- 1620~1640年代
- 備考
平成22年(2010)3月12日指定
小さな高台から大きく開く器形であり、口縁部はやや幅広の鐔縁(つばぶち)に作る。白化粧土を施し、見込みに大きく松樹を描き、口縁部にも唐草文を配している。
高台は二箇所に凹形の切り込みを入れた割り高台となっている。絵付技法は、鉄絵で幹や大枝などの輪郭線を描き、そして銅緑釉で葉や幹の芯の部分などを彩色する「二彩手」で、近年ではこの技法を「鉄絵緑彩」と呼んでいる。
本品は、唐津焼が武雄地域を中心に新たな展開をみせた1620~1640年代を代表する作例である。器形は同時期の肥前磁器との類似性が高く、朝鮮半島を起源とする肥前陶器が、肥前磁器の登場に影響されつつ新たな展開を見せたことを示す作例でもある。青磁の重要無形文化財保持者(人間国宝)故中島宏旧蔵品。