色絵花鳥文六角壺

重要文化財 / 佐賀県重要文化財
色絵花鳥文六角壺
- 生産地
- 肥前 有田 南川原山
- 制作年代
- 1670~1690年代
- 備考
令和4年(2022)4月28日指定
本作品は、染付を伴わない濁手素地に余白を生かした構図で繊細な線描きの絵付けが施されており、日本独自の色絵磁器を完成させた典型的な柿右衛門様式の特徴をよく表している。なかでも精巧な板作り成形の六角壺はヨーロッパ向けに作られた優品であり、年代基準資料であるメアリー2世(1662-1694年)コレクション(ハンプトン・コート)の類例であることは学術的な観点からも重要である。
また、揃いの金属加工が施された2口セットでの伝世は、ヨーロッパの室内装飾品として受容された東洋陶磁の歴史背景を物語るもので、海外輸出され王侯貴族を魅了した肥前磁器を象徴する貴重な作例である。