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九州の古陶磁(館蔵名品撰)

 九州の陶磁器生産は、16世紀末から17世紀初頭に朝鮮半島の技術を導入して、陶器の生産から始まります。唐津焼(佐賀県・長崎県)が最初で、文禄・慶長の役を経て上野焼・高取焼(福岡県)、八代焼・小代焼(熊本県)、薩摩焼(鹿児島県)など、各地で陶器生産が起こります。また琉球諸島でも壺屋焼(沖縄県)など独自の発達を遂げた陶器が生産されました。
 日本で最初の磁器生産は、17世紀初頭に肥前(佐賀県・長崎県)西部の有田を中心として始まりました。17世紀中葉に中国系の技術も取り入れて技術革新を遂げた有田は周辺の三川内・波佐見(長崎県)などまで含めて磁器の大生産地として急成長し、17世紀後半には製品が海外にも輸出されるようになり、国内でも全国に流通していきます。また、有田の技術を元に、佐賀藩が伊万里・大川内山に設置した藩窯では将軍家献上を目的とした最高級の磁器である鍋島焼が作られました。18世紀以降は、有田を中心とする肥前が中心的な生産地として続くと共に、肥前の磁器生産技術が各地に広がっていき、九州でも朝妻焼・須恵焼(福岡県)、高浜焼・網田焼(熊本県)、平佐焼(鹿児島県)、小峰焼(宮崎県)など、各地で磁器生産が起こります。

佐賀県 唐津・武雄

佐賀県 有田(伊万里)

佐賀県 鍋島

佐賀県 志田・白石

長崎県

福岡県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県