佐賀県立博物館|佐賀県立美術館

REPORT学芸員だより

「一歩前に出よう!」「苦しくなければ楽しくない!」を合い言葉に2週間の博物館実習を見事に完遂

2010年08月06日 学芸員実習

 7月26日(月曜日)から8月6日(金曜日)までの2週間、学芸員資格取得を目指している12大学20人の学生が博物館実習を行いました。

 講義、資料取扱実習、専門分野別の実習、吉野ヶ里遺跡発掘調査体験、行事運営実習、図書整理やブロンズ清掃、写真撮影実習、展覧会企画のプレゼンテーションなど、さまざまな内容で「濃い」毎日を送った実習も、この日は最終日。

プレゼンテーション実習プレゼンテーション実習

 初日に6班に編成されたグループごとに、美術館2号・3号展示室で行う展覧会の企画を「売り込む」プレゼンテーションを8月5日・6日の2日間で行いました。直前は徹夜や半徹で企画書の準備を行ったとのこと。展示企画は、どの班も工夫され、面白く魅力的な内容でした。「こうしたら、もっと効果的に見せることができる」など、実習生同士の意見交換も活発に行われました。
 プレゼンテーション実習のまとめでは、2日間のディスカッションをともにした野中学芸員と浦川を含めて輪になり、この実習で感じたこと、得たもの、慰労の言葉などを語り合いました。実習生は、展覧会ができあがるまでの苦労の一端を体感するとともに、「学芸員」という仕事の魅力を味わっていました。

プレゼンテーション実習

 午後は、いよいよ閉講式。
 「私が思っていた以上に学芸員という職業はすばらしいものなんだと感じ、私も是非学芸員になってみたいと考えるようになりました」、「この実習を通して一番学んだことは、何でもやる、どんな仕事でも、人に見えないことでも、全て自分の夢や目標につながっている、ということ。ここに来て、学芸員という仕事、博物館・美術館が前よりずっと好きになりました」、「社会に出て結果を求められることがあっても、私にはこの"実習"というプロセスがあると思えば、乗り越えられると気がします」、「『伝える』ことを考えさせられた実習でした。伝えることの大切さを実感していくにつれ、自分が相手に伝えるということの難しさを知り、相手に思っていること・考えていることの半分も理解してもらえない悔しさを感じました」など、1人1人、2週間の長いようで短かった実習を振り返り、お礼と別れの言葉を述べていました。

 「一歩前に出よう!」「苦しくなければ楽しくない!」を合い言葉に、20人の佐賀県出身や在住の若者が2週間の実習を精一杯やり遂げました。
 本館では、学芸員であっても1人の「社会人」ですから、まず、「(学校ではなく)職場」で「社会人」として仕事に向かう姿勢を第一に考えてもらうようにしています。このような意味でも20人全員が積極的な活動ができました。また、学芸員の採用は全国的に見ても非常に「狭き門」ですが、この実習を通して改めて学芸員志望の意志を固めた学生も多くいました。

(浦川)

プレゼンテーション実習

閉講式を終えて-20人の博物館実習生と本館職員-