佐賀県立博物館|佐賀県立美術館

REPORT学芸員だより

「楊柳観音像」を美術館ホールで点検

2009年06月11日 その他

「楊柳観音像」を美術館ホールで点検 韓国通度寺聖寶博物館では、4月30日~6月7日に「通度寺聖寶博物館開館10周年記念 仏画 特別展」が開催され、そこに出品していた重要文化財「絹本著色楊柳観音像」(唐津市鏡神社所蔵・本館保管)が、6月11日に無事返却されました。写真は、 その時の資料状態点検の様子です。

 韓国慶尚南道梁山市の「通度寺(トンドサ)」は、釈迦の仏舎利(ぶっしゃり)を納める仏宝寺刹(ぶっぽうじさつ)と言われ、法宝寺刹の「海印寺(ヘインサ)」・僧宝寺刹の「松広寺(ソングワンサ)」と並んで韓国の三宝寺刹とされています。

「楊柳観音像」を美術館ホールで点検 「楊柳観音像」は、本紙部分だけで縦419.4cm、横254.2cmもある大幅(たいふく)で、現存する高麗仏画では最大級のものです。高麗時 代後期の1310年に金祐文らが描き、その後日本に伝えられ、明徳2(1391)年に良賢という僧侶が鏡神社に寄進したことがわかっています。

 大幅のため、全体を提げて点検できる場所は美術館ホールの舞台しかありません。当日も、通度寺聖寶博物館や鏡神社の方々とともに、本館の竹下学芸員が入念に状態確認を行いました。

(浦川)