「車力」(荷車)が生き返りました!-九州龍谷短大生のインターンシップ-
2月22日(月曜日)から3月5日(金曜日)までの2週間、九州龍谷短期大学1年の井手要介さんがインターンシップで実務実習をしています。
実習3日目となる2月24日には、佐賀市内の方から「荷車」の寄贈申し込みがあったので、学芸員(浦川)の資料調査に同行しました。分解された状態の荷車を寄贈者とともに倉庫から外に出し、実際に組み立て、丈夫で資料的な価値も高いことを確認し、再び分解して倉庫の元の場所に戻しました。
翌25日は、公用車で荷車を博物館に運び込み、長年の間に付着した土埃を水で洗い流しました。3月1日にも、タワシを使って更に土埃を洗い流しました。
そして、この日は乾拭きして磨き上げ、分解されたままの荷車を組み立てました。そして、寄贈受入のための写真撮影や採寸、製作者等の調査をしました。
井手さんは、荷車を対象に、学芸員とともに資料の調査・輸送・補修・撮影など一連の学芸業務をコツコツと丹念に進めていました。博物館の見えない部分の作業を実際に体験でき、勉強になったようです。
ところで、この荷車は、長さは約2.8メートル、木製で車輪に鉄輪が施されており、また、「肥前国神埼郡蓮池古賀 宮地又次」という焼印が押されています。恐らく明治後半・大正期に蓮池村(現佐賀市蓮池)の「宮地又次」という木工細工者が製作し、寄贈者の先祖が入手して使用していたものと考えられます。
なお、佐賀県では、荷車のことを「シャリキ(車力)」と呼んでいますが、「車力」は、本来、荷車を引く人のことで、それがそのまま物の名前になったようです。
(浦川)