「冬の星空散歩-カノープスを見て長生きしよう!-」(第92回博物館・美術館セミナー)を開催しました
「晴れて良かったですね。今日は見えそうですか?」
「暖かくなってよかったですね。」
「今日は親子で楽しみにして来ました。」
当日、お越しいただいた皆様からかけていただいた嬉しい声の数々...。
1か月ほど前から気になっていたこの日の天候。この冬は、年末から厳しい寒さが続いており、雪を見る日も少なくない状態。
寒い中、夜のセミナーに参加してくださる皆様に、ぜひ実際の星空を見ていただきたい! 自然現象には勝てないと知っていながらも、ついつい祈ってしまう毎日でした。この思い、参加者の皆様も同じだったようですね! 良いお天気で、本当に良かったです。
【第1部】「オリオン座から探す冬の代表的な星座探し」
美術館研修室にて講義形式で行いました。
オリオン座は、冬の夜空の案内役!オリオン座の星の並びを知っているだけで、その周りの5つの星座を探せます。
研修室での講義のあと、実際に屋外で星探しをしました。街灯が明るかったものの、さすが1等星の明るさは別格。参加者の皆様もそれぞれ自分で星をたどっていらっしゃいました。
【第2部】「カノープスを見て長生きしよう!」
県庁13階展望ホールへと移動し、観察を行いました。
ご協力いただいたのは、さが天文協会事務局長の副島勉さんと協会会員の皆様。協会所有の太良天体観測所からフジノンの150ミリメートル双眼鏡他、大型の双眼鏡や手持ち双眼鏡を持ってきてくださいました。
カノープスはりゅうこつ座の1等星。中国では「南極老人星」とも呼ばれ、見た人は長生きできるという言い伝えがあります。
残念ながら講座終了時刻(21時)までには、カノープスは現れず...一旦解散。
しかし、その後21時20分、南の地平線すれすれの位置でフジノン150ミリメートルがカノープスにロックオン!解散後も残っていらっしゃったお二人と、天文協会のスタッフの皆様と一緒に展望ホールで大喜びしました。
この日のカノープスの南中時刻は21時43分。やはり南中近くでないと観測は難しいようですね。...ああ、参加者の皆様全員と、この喜びを分かち合いたかった...。
「長生きするかどうかは別として、見えるか見えないか分からないものを見ようとするところに良さがある。」と、天文協会の副島さんはおっしゃいます。「来年こそは見るぞ!」という、その気持ちが大切なのかもしれません。
これにて、今年度の「博物館・美術館セミナー」は終了です。
さあ、来年のセミナーは...と、お寄せいただいたアンケートを参考にしながら、博物館・美術館スタッフ一同構想を練っているところです。
セミナーにご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
来年度も皆様に喜んでいただける内容になるよう、今後も研究・研修に努めさせていただきます...。
(丹野)
※さが天文協会のHPにもこのイベントについて記載があります。
http://www.sagaten.org/record/2011/action2011/action2011.htm
佐賀県庁展望ホールより望む南方の夜景