博物館・美術館セミナー「冬の星空散歩&長寿星(カノープス)の観察」を実施しました
この日の天気予報は「曇り時々雪」。前日からの雪のため、県内一周駅伝は午前に予定されていた4区間のレースが中止。午後からのレースは決行されたものの、日中は厚い雲間から雪が舞い降り、青空は見えていませんでした。
今年の天体観望は無理か...と諦めていたのですが、夕方になるにつれ雲が薄くなり空が明るくなってきました。「予定通り実施の方向で準備します。」佐賀天文協会の副島さんと確認し、午後7時からの第1部を開始しました。
【第1部】冬の星空散歩(場所:県立美術館画廊)
冬の代表的な星座:オリオン座。明るい星が多く特徴的な形をしていますので、ご存知のかたも多いでしょう。このオリオン座を手掛かりにして、オリオン座の周りの5つ星座を簡単に探すことができます。おおいぬ座、こいぬ座、おうし座、ふたご座、ぎょしゃ座。どれも、1等星をもつ星座ばかりです。それらの1等星の探し方をご紹介しました。
その後、博物館の駐車場へ出て、実際の星空での星を探しました。日中とは違い、満天の星!さすがに気温は低かったのですが、皆様、白い息を吐きながらも笑顔で星をたどっていらっしゃいました。
冬は空気が澄んでいるので、他の季節に比べ、星の輝きも鋭く、まさに"きらきらと"輝いています。それに加えて今年は、西の空に明るい2つの惑星、金星と木星があります。とても賑やかな冬の夜空を見ることができました。
【第2部】カノープスを見よう(場所:県庁展望ホール)
「もう、カノープスが見えているそうですよ!」博物館駐車場での星空散歩が終わると同時に、佐賀天文協会の副島さんが声をかけてくださいました。この天気の中、まさかカノープスが見えるとは、お昼の時点では全く予想していませんでした。「急ぎましょう!」防寒着で身を固めた一団は県庁へと急ぎました。
県庁展望ホールでは、佐賀天文協会の近藤会長をはじめ会員の皆様が双眼鏡の準備をしてくださっていました。
「あの信号を、望遠鏡の視野の7時の方向に入れてください。すると、1時か2時の方角に......。」「あっ!あったぁ!」「見えました!あれですよね、カノープス!」天文協会のスタッフの的確な指示で、参加者全員が双眼鏡を使ってカノープスを探すことができました。中には、「目(肉眼)でも見えました!」と言われるかたもいらっしゃいました。
カノープスは、りゅうこつ座の1等星。全天で2番目に明るい星なのですが、高度が低く、街中では光害もあってなかなか見ることができません。佐賀での南中高度は約4度。県庁から南を望む街明りの中、スタッフの皆様の助言をいただいてやっと見つけることができる...そんな感じでした。
県庁からカノープスが見える。それは、南にあまり高い建物がない佐賀ならではの特徴といってもよいかもしれませんね。
このカノープス観察会の様子は、佐賀天文協会のHPでも紹介されています。
http://www.sagaten.org/record/2012/action2012/action2012.htm