佐賀県立博物館|佐賀県立美術館

REPORT学芸員だより

博物館テーマ展「化石-生き物のあゆみ-」佐賀県でとれた化石をご紹介!

2016年04月30日 展覧会

 県立博物館3号展示室で開催中の「化石-生き物のあゆみ-」では、世界でとれた化石のほか佐賀県でとれた化石など、約350点を展示しています。

 そのうち、佐賀県でとれた化石は60点ほどで、すべて新生代(6,600万年前~現在)のものです。そのほとんどは、日本古生物学会会員で化石研究家の不動寺康弘さん(佐賀県出身)によって採集されました。

 不動寺さんが化石と出会ったのは、小学生の時。近所のお兄さんから貝の化石を見せてもらい、それまで本や図鑑でしか見たことがなかったホンモノの化石に、とても感動したそうです。

 中学生の夏休みには、友達と二人で佐賀県江北町から武雄市北方町へ出かけ、地質図をたよりに化石採集をしていたそうです。

 そんな不動寺さんにうかがった化石採集のコツは、「一に根性、二に根性、日頃から図鑑をよく見て化石の形を覚えること。」ということでした。

  不動寺 康弘 さん

 

 不動寺さんによって採集された化石を、一部ご紹介します。

 これはアミノドンの歯の化石です。佐賀県唐津市北波多で採集されました。アミノドンはサイの仲間で、水辺の環境を好み、植物を食べていたようです。

 

 これはサキスナモグリのハサミの化石です。佐賀県伊万里市大川町で採集されました。2001年にスナモグリの新種として、不動寺さんの娘、沙紀さんの名前がつけられました。

 

 これはコペプテリクスの尺骨の化石です。佐賀県唐津市北波多で採集されました。コペプテリクスはペンギンのように海に潜って、魚やイカを捕って食べていた、全長1~2メートルの海鳥です。化石をよく見ると、羽がはえていたあと(丸い穴)が残っています。

 

 これはサメの顎の骨の化石です。佐賀県唐津市肥前町で採集されました。やわらかい軟骨でできているサメの骨が、化石として残ることは珍しいことです。

 

 アノマロカリスのぬり絵やティラノサウルスの折り紙、三葉虫のフロッタージュができるキッズコーナーもあります。

 博物館テーマ展「化石-生き物のあゆみ-」は5月15日(日曜日)まで、観覧無料です。

 ぜひお越しください!