国内現存最古と考えられる刀剣書が発見されました~ 佐賀県立図書館所蔵の歴史資料から~
県立図書館では、郷土に受け継がれた古文書などの貴重な歴史資料約13万点を収集・保存しています。
この度、その資料の中から、九州産業大学基礎教育センター 吉原弘道准教授により、現存最古と考えられる南北朝時代の刀剣書が発見されました。
刀剣書とは、刀工の名前や説明等を記したものです。今回発見された刀剣書「銘尽(龍造寺本)」は、龍造寺家文書277点のうち2点の「申状土代(訴状の下書き)」の裏に書かれたもので、古代から中世の刀工の名前等が墨書でびっしりと記されています。当時は紙が貴重であったため、不要となった文書の裏を利用することは珍しいことではありませんでした。
龍造寺家文書は佐賀県重要文化財に指定されていますが、これまでこの裏書については詳細な検討がなされておらず、刀剣書としては認知されていませんでした。今回の吉原氏の研究によって全容が紹介されるとともに、日本に現存する刀剣書の中で最古のものであると評価されました。吉原氏は今回の研究について、論文で公表される予定です。
今回、この発見を広く県民の方に知っていただけるよう、当該資料の原本を県立博物館で公開します。県立博物館では、あわせて、銘尽に名前の出てくる刀工の銘がある刀剣の実物展示も行われます。この機会に、郷土に受け継がれてきた貴重な資料を是非御覧ください。
場所:佐賀県立博物館 2号展示室
期間:平成29年12月26日(火曜日)~平成30年2月4日(日曜日)
龍造寺家政申状土代(りゅうぞうじいえまさもうしじょうどだい)
銘尽(めいづくし)