県博クロニクル展で《源氏物語絵色紙帖》展示中です!
2020年01月20日
県博クロニクル展で《源氏物語絵色紙帖》展示中です!
博物館3号展示室で開催中の「県博クロニクル展」、展示替えをいたしました!
明日1/21(月)からは、絵 土佐光吉、長次郎・詞 後陽成天皇ほか《源氏物語絵色紙帖》(重要文化財、京都国立博物館蔵)全四帖のうち一帖(丁帖)を新たにご覧いただけます。
みなさんが教科書で一度は読んだことがある、「若紫」の段なかの、「雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠のうちに籠めたりつるものを」と幼い紫の上が可愛らしく駄々を捏ねるあの場面も、ばっちり出ています!
というのは、全四帖のうち、今回出品される丁帖は最後の帖にあたるものの、源氏物語の最後を締めくくり宇治十帖のみならず、重複して制作された六段が含まれているからなのです。
「若紫」以外にも、「夕顔」、「末摘花」、「賢木」、「花散里」といった場面を今回はご覧いただけます!
さて、丁帖の画は、光吉の弟子と考えられる長次郎による作品が大部分を占めています。
人物は、どのように線を引いたのだろうと思わせるような、とても繊細な引目鉤鼻(つくり絵ややまと絵でもちいられてきた、伝統的な貴人の顔貌描写の方法)で描かれています。
また、建築物も疎かにされておらず、構造がわかるほど綿密に観察されて描かれていることがわかります。
最初は金箔のすやり霞や金泥による衣服の文様表現に目を奪われてしまいますが、見れば見るほど、けっして大きくはない画面に、密度の高い表現がなされているのがご覧いただけるはずです!
詞は、本阿弥光悦や松花堂昭乗とならんで「寛永の三筆」と称される、近衛信尹による色紙の部分などを展示しています。
《源氏物語絵色紙帖》の展示は2/9(日)まで、県博クロニクル展の会期は3/8(日)までとなっております。ぜひお見逃しなく!