県博クロニクル展 会期延長と展示替えのおしらせ
本来は3月8日で閉幕する予定だった県博クロニクル展(博物館3号展示室)ですが、このたび同展示室で開催予定だった行事の変更にともない、会期を22日(日曜日)まで延長いたしました。
あわせて展示替えをおこない、以下の作品を3月10日から展示します。
- 大塚榛山《法隆寺壁画(6号壁)模写》3幅 明治時代
- 「釈迦三尊比丘像」1幅 高麗・李朝時代 広福護国禅寺蔵
- 「十王図」(10幅のうち1幅)鎌倉時代 万寿寺蔵
- 「両界曼荼羅」 2幅 妙覚寺蔵
まだ展示をご覧になっていないという方、ぜひこの機会をご利用ください!
なお、新型コロナウィルス感染防止のため、ご来館の際は以下の点にご協力をお願いいたします。
- 発熱や咳等の風邪のような症状のある方は、ご来館の前に医療機関へご相談くださいますようお願いいたします。
- マスク着用や咳エチケットにご配慮いただきますようお願いいたします。
- 手洗い、うがいの励行をお願いいたします。
さて、突然ですが、作品や資料はいろいろな素材からできています。
油彩画、日本画、織物、漆器、陶磁器、金属器......このように、さまざまな作品や資料を呼び分けているのを、皆さん耳にしたことがおありのはず。
たとえば、日本の絵画の多くは、絹や紙のうえに、膠(動物のコラーゲンを固めた接着剤のようなもの)で溶いた顔料で描かれており、刺激にとても敏感で、損傷しやすいものです。
古い仏画や浮世絵の展示で、展示室が暗いなあ、よく見えない...と感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これは強い光が刺激となって、作品を変質させるのを考慮してのこと。
一方、カンバスに顔料を各種の溶き油などで描く油彩画は、そのような日本の絵画に比べれば、堅牢であるといえるでしょう。
突然、作品や資料の素材のお話をし出したのは、出品資料が展示替えされる理由のひとつをお話しするためです。
さまざまな素材からできている作品や資料は、刺激に対する「脆弱性」によって、展示できる期間の長さが異なります。
そのため、展示替えをおこなう必要がでてくるのです。
これも、傷つきやすい作品をきちんと保存して、ずっと後代まで伝えていきたいという思いがあってのこと。
この2020年に当博物館は50周年をむかえますが、これから先も、当館が大事に伝えてきた作品や資料たちを、変わらぬ姿でみなさんにご覧いただきたいと思っています。