今年度も10～12月にかけて、県内の学校に在籍する子どもたちと先生を対象としたアウトリーチ事業(※)、「ミュージアム・キャラバン隊」を開催しました!

「ミュージアム・キャラバン隊」では、県立博物館・美術館の学芸員が県内各地の学校に館蔵の資料をたずさえて訪問し、実物の資料を目の前に講座を行います。これまで来訪する機会がなかった子どもたちにも博物館・美術館という場所を身近に感じていただく機会にするとともに、地域の歴史・文化を知っていただき、愛着を育むきっかけとなることを目的としています。
(※アウトリーチ[outreach]...地域や現場に専門家が出向き、芸術文化に触れる機会を直接届ける活動のこと)

今回は、美術のプログラム「近くで見よう、ホンモノの美術作品」の実施風景をご紹介します!

今年は、各校に館蔵の絵画や彫刻(ブロンズ)作品など計5～6点を持参しました。
絵画は、油彩画や日本画、アクリル、銅版画とジャンルの異なるものをあえてチョイスしています。

(10月23日　嬉野市立塩田小学校での実施風景)

まずは作品を遠くから見ながら、作品ごとの違いやどの作品が好きかをめいめい考えてもらいます。
自分が好きだと思う作品が決まったら、その理由も発表してもらいました。人によって「好き!」と思うポイントや気づいたことはさまざま。他の人の意見にも興味津々に耳を傾ける子どもたちです。

(11月20日　白石町有明西小学校での実施風景)

これは佐賀市出身の画家、野村昭嘉の《雲の製造I》という作品。何やら不思議なオブジェが描かれています...
「これは一体何に見える?」「やかん!」「心臓!!」「え～」「ブタ!!」「あ～、確かに!」「宇宙船!!!」「頭のない人!!!」
さまざまな声が飛び交います。

(10月6日　嬉野市立轟小学校での実施風景)

さあ、いよいよ絵を近くで見てみましょう。
作品に触れないように注意を払いながら、じっくりと絵を覗き込み、見比べる子どもたち。
皆、次から次へといろいろなところに気が付きます。
「遠くから見るより色んな色の絵具を使ってる」
「この髪の毛、すっごく細い筆で描いてる!細か～い」
「女の人が持っているのは何かな?」
「サインだ!なんて書いてあるんだろう～」

(11月24日　大町町立ひじり学園での実施風景)

美術館では絶対に触ることのできない彫刻作品も、特別に触っていただきます。
すべすべ、ごつごつ。どんな手ざわりかな?みんなの顔のパーツと触り比べてみよう。

(12月11日　白石町立須古小学校での実施風景)

「キャラバン隊」には、美術作品を運搬・展示する専門スタッフの方々も帯同してくださっています。
数校では特別に、その熟練の文化財取扱いの技術を披露していただきました。

(10月1日　佐賀県立金立特別支援学校での実施風景)

普段はあまり見られない絵の裏側も、特別に見てみましょう。どんな作りになっているのかな?

(10月6日　嬉野市立轟小学校での実施風景)

どの学校でも、短い時間のなか、しっかりと集中して作品と向き合ってくれた子どもたち。
作品を間近で見て、触れる体験を通して、さまざまなことを感じてくれたようです。
この授業を通して、少しでも美術作品、そして美術館の活動に関心を持っていただければ嬉しいです!

今年「美術」のプログラムでおじゃました学校は、以下の通りです。

●佐賀県立金立特別支援学校 中等部(2020年10月1日)
●佐賀県立盲学校 中学部・高等部(10月1日)
●嬉野市立轟小学校 5年生(10月6日)
●鳥栖市立若葉小学校 6年1組・2組(10月19日)
●佐賀県立中原特別支援学校 高等部C課程3年生(10月19日)
●嬉野市立塩田小学校 5年生(10月23日)
●武雄市立朝日小学校 4年生(10月23日)
●佐賀市立大詫間小学校 3・4年生(11月17日)
●佐賀市立鍋島小学校 5年生(11月20日)
●神埼市立西郷小学校 5年1組・6年生(11月20日)
●白石町立有明西小学校 5年生(11月24日)
●大町町立大町ひじり学園 5年生(11月24日)
●唐津市立うつぼ木小学校 5・6年生(12月1日)
●唐津市立納所小学校 4・5・6年生(12月1日)
●伊万里市立伊万里小学校 6年生(12月8日)
●伊万里市立滝野中学校 全校生徒(12月8日)
●白石町立有明東小学校 5・6年生(12月11日)
●白石町立須古小学校 5・6年生(12月11日)
●武雄市立若木小学校 5・6年生(12月14日)
●武雄市立武雄北中学校 3年生(12月18日)

参加くださった学校の先生方、生徒の皆様、本当にありがとうございました!