今日に伝わる文化財。その修理のはなし
博物館3号展示室では、修理報告「重要文化財 東妙寺幷妙法寺境内絵図」展を開催中です。
今年度、開館51年目に突入した県立博物館。
数多の展覧会が開催されてきましたが、展覧会タイトルに、「修理」という言葉が用いられた展覧会は、今回が初めてです。
皆様が博物館や美術館に御来館いただいたとき、展示室にはたくさんの文化財が並んでいることと思います。
現在博物館3号展示室では、鎌倉時代の制作とされる「重要文化財 東妙寺幷妙法寺境内絵図」やご本尊をはじめとする東妙寺所蔵の重要文化財を御覧いただくことができ、また、「発見50年、土生遺跡―日韓を繋ぐ弥生時代の大規模集落―」展では、小城市に位置する国史跡土生遺跡から出土した、弥生時代の土器や木製農具を遺跡の情報と共にご覧いただくことができるなど、今日、私たちがそれらを見聞きしたり、感じたりすることができるのも、先人達が守り・伝えてきてくれたおかげです。
しかし、文化財のタスキを繋ぐ長い時間の中では、環境の変化によって劣化が生じてしまったり、災害に巻き込まれることで損傷を受けてしまったりすることもあります。
修理は、それら文化財に生じている劣化や損傷の進行を止め、回復・安定させることで、資料が今日まで受け継いできた情報を次の世代に繋ぎます。
今回は、文化財修理についてご紹介するにあたり、吉野ヶ里町に在る東妙寺所蔵の文化財のうち、
重要文化財 東妙寺幷妙法寺境内絵図(令和2年度修理)
重要文化財 木造釈迦如来坐像(令和元年度修理)
重要文化財 木造聖観音立像(令和元年度修理)に焦点をあて、文化財の修理や、博物館で行っている損傷予防の取組みについて御紹介しています。
ー文化財のタスキをを次の世代へ。
この機会に、いつもとまた違った角度から文化財を観てみませんか?
【会期】8月27日(金)~10月17日(日)
【会場】博物館3階 3号展示室
【観覧料】無料
ご来場お待ちしております。
(文責 学芸課 松浦)