佐賀県立博物館|佐賀県立美術館

REPORT学芸員だより

テーマ展「しってる?佐賀のいきもの展」ほ乳類編!

2022年03月16日 展覧会

 現在、博物館3階の展示室で開催中のテーマ展「しってる?佐賀のいきもの展-動植物と化石-」では、絶滅してしまったニホンカワウソなど陸生ほ乳類標本約30点、日本で佐賀県のみ分布が確認されているサクラジマイノデなど植物標本約10点、人との関係が深いオオウラギンヒョウモンなど昆虫標本約40点の他、最大全長約10mのサメであるカルカロクレスの歯など約4000万年前~1800万年前のいきものの化石を揃えて、佐賀のいきものの多様性や生態について展示しています。

 今回のミュージアムダイアリーでは、ほ乳類標本の中から担当者がぜひ見ていただきたいものを2つご紹介します。

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 1つ目は、絶滅してしまったニホンカワウソの標本です。

 ニホンカワウソ.JPG
 二ホンカワウソ(北九州市立自然史・歴史博物館蔵)

 今から約100年前まで北海道、本州、四国、九州にいましたが、明治・大正時代の毛皮を目的とした乱獲や環境破壊などによって数が減り、2012年に環境省から絶滅が宣言されました。
 川岸に暮らし、川に潜って魚やカニを捕まえて食べていました。佐賀県でも明治時代には吉野ヶ里町の川岸でみられたと記録があります(『三田川町史』三田川町史編さん委員会)。
 特別天然記念物に指定されています。

 2つ目は、森の妖精ヤマネの標本と池田学が描いた《ヤマネ》です。

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 左が池田学《ヤマネ》2005(佐賀県立美術館蔵)、右がヤマネ(北九州市立自然史・歴史博物館蔵)

 2014年、佐賀大学農学部と佐賀自然史研究会が多良山系でヤマネの撮影に成功し、佐賀県では15年ぶりに生息が確認されました。
 ヤマネは樹の"うろ"や巣箱などに巣をつくり、子育てや冬眠します。
 今回は標本と一緒に池田学が描いた《ヤマネ》も展示しています。
 池田学は佐賀県多久市生まれの画家です。現在はアメリカに住んでいます。この絵は、ペンによる柔らかな線で、ふわふわしたヤマネの毛の特徴をよくとらえています。
 この2つのヤマネを同時に見ることができるのは、この展覧会だけです!

 展覧会は5月15日(日)まで開催しています。
 観覧は無料、ご自宅でも楽しんでいただけるようにパンフレットも配布しています。

 2つ目は、森の妖精ヤマネの標本と池田学が描いた《ヤマネ》です。

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 春休みはぜひ、博物館へお越しください!!

 おまけ:「佐賀のいきもの展」なのになぜ壺形土器が展示されているのかは、見てのお楽しみ!

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