テーマ展「しってる?佐賀のいきもの展」化石編!
現在、博物館3階の展示室で開催中のテーマ展「しってる?佐賀のいきもの展-動植物と化石-」では、絶滅してしまったニホンカワウソなど陸生ほ乳類標本約30点、日本で佐賀県のみ分布が確認されているサクラジマイノデなど植物標本約10点、人との関係が深いオオウラギンヒョウモンなど昆虫標本約40点の他、最大全長約10mのサメであるカルカロクレスの歯など約4000万年前~1800万年前のいきものの化石を揃えて、佐賀のいきものの多様性や生態について展示しています。
今回のミュージアムダイアリーでは、化石の中から担当者一推しのものをご紹介します。
佐賀は長い年月の中で、海の底に沈んだり陸になったりしたため、海にいたウニやサンゴなどの棘皮・刺胞動物、貝類(二枚貝や巻貝など)やオウムガイなどの軟体動物、スナモグリやカニなどの甲殻類、サメやエイの軟骨魚類、硬骨魚類、ウミガメの爬虫類や、沿岸に暮らしていた骨質歯鳥やプロトプテルムなどの鳥類、水辺に暮らすスッポン類やワニ類などの爬虫類とアミノドン類の哺乳類、陸上にいた被子植物や裸子植物などの植物の化石が見つかっています。
次の化石は約4,000万年前にいた古代のサイ、アミノドン類の歯です。歯の大きさから全長は約3.5m。水辺を好み水草などを食べていたと考えられています。
アミノドン類の一種(不動寺康弘コレクション・佐賀県立宇宙科学館蔵)
次の化石は大型の古代のサメ、カルカロクレス・アングスティデンスの歯です。全長は最大約10mもあり、獲物を噛み切るための縁のギザギザの鋸歯があります。また、左右にある副咬頭は古代のサメだけにみられる特徴です。
カルカロクレス・アングスティデンス(不動寺康弘コレクション・佐賀県立宇宙科学館蔵)
次の化石は突起状の牙を持つ鳥、骨質歯鳥(こつしつしちょう)の左下顎骨の先端部です。現生のペリカンの翼開長が約2mに比べて骨質歯鳥の翼開長は少なくとも約5mと巨大でした。
骨質歯鳥類の一種(不動寺康弘コレクション・佐賀県立宇宙科学館蔵)
次の化石はプロトプテルムの中足骨(ヒトの足の甲にあたる部分)です。プロトプテルムは海を泳ぎ魚類などの獲物を捕まえていた鳥です。生活の仕方や姿がペンギンに似ていることからペンギンモドキと呼ばれています。しかし、ペリカンの仲間で鵜に近い種類であったと考えられています。
プロトプテルム類の一種(不動寺康弘コレクション・佐賀県立宇宙科学館蔵)
展覧会は5月15日(日)まで開催しています。
観覧は無料、ご自宅でも楽しんでいただけるようにパンフレットも配布しています。
ぜひお越しください。