佐賀県立博物館|佐賀県立美術館

REPORT学芸員だより

久留米市美術館「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」に、当館の所蔵作品を貸し出しています!

2022年12月01日 その他

現在、久留米市美術館で開催されている特別展「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」(2022年10月29日~2023年1月22日)。
この展覧会に、当館が所蔵・管理する青木繁作品 計3点を貸出し、現在、同展で公開されています。

久留米市美術館チラシ.pngのサムネイル画像

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久留米に生まれ、同じ画塾で切磋琢磨し、共に洋画家という大志を抱いて東京に発った二人。かたや28年の短い生涯を駆け抜け、かたや87年の生涯を絵の道に全うした二人の「旅」を、彼らの代表作と共に紐解く展覧会です。

画業の後半期に久留米に帰郷した青木ですが、佐賀在住のかつての師や知人のもとに身を寄せたり、画会を催して作品の販売をしたりと、佐賀でも多くの活動を行っています。そんな彼が佐賀平野を描いた風景画の小品《佐賀風景》(当館蔵)が出品されています。
故郷からほど近い佐賀の田園風景を、彼はどのような思いで見つめたのでしょうか。
(下の写真、一番左が《佐賀風景》)

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また本展には、青木の絶筆(生涯の最後に描いた作品)として名高い、《朝日》(小城高等学校同窓会黄城会蔵、当館寄託)も出品されています。
玄界灘に昇る朝日、その光を浴びながらゆったりとうねる海面を捉えたこの作品。実は朝日ではなく夕陽を描いたのではないかとする説もあり、今なお多くの謎を残しています。
病を患い、死を目前にした青木の心情に思いを馳せられるばかりでなく、絵に向き合う人それぞれの内面までも映し出すような、静謐で不思議な魅力を湛える作品です。
(下の写真、一番左が《朝日》)

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展覧会には、青木繁・坂本繁二郎、両者の代表作や名作が一堂に会しており、まさに二人展にふさわしい展観となっています。

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「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」は2023年1月22日(日)までの開催です。ぜひ足をお運びください!

久留米市美術館「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」展覧会の詳細はこちら(久留米市美術館のWebサイトにリンクします)

(文責:学芸課 秋山)