佐賀県立博物館|佐賀県立美術館

REPORT学芸員だより

ミュージアム・キャラバン隊「近くで見よう、ホンモノの美術作品」を実施しました!

 毎年大人気の学校向け講座、ミュージアム・キャラバン隊を今年度も開催しました!

 ミュージアム・キャラバン隊は、博物館・美術館の資料と共に、館の学芸員が県内の学校を訪れ、参加者に佐賀の文化・歴史と触れ合う機会を提供しています。

 今年度もたくさんの学校におじゃましました。その中の一校である佐賀市立思斉小学校での活動を取り上げてみなさんにもお見せします。
 思斉小学校では、美術分野の講座「近くで見よう、ホンモノの美術作品」を実施しました。
 今回、子どもたちのもとに持って行った作品を紹介します。絵画作品から、池田龍雄《ストリッキング》、伊東静尾《姿》、甲斐仁代《静物》、川浪養治《カワセミ》の4点。彫刻作品から、古賀忠雄《うさぎ》、《たま》、《山羊》の3点、計7点の作品です。

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 しかし子供たちの前には、1枚だけ絵が足りません。最後の1枚はまだはこの中に入れられたままになっていました。子供たちは不思議そうな顔をしていましたが、決して出し忘れたわけではありません。彼らには、箱から作品を出す時どんなことが起きるのか、だれが出すのか、どんな工夫をしているのか、出した後はどうするのかを間近で見てもらいます。
 ミュージアム・キャラバン隊は、近い距離から作品を鑑賞してもらうだけでなく、多くのきっかけ作りができればという思いを込めて活動しています。キャリア教育の一環としても子供たちに貢献していきたいと考えているのです。

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 いよいよ作品が揃ったところで、鑑賞時間が始まりました。思いおもいの感想が出てきます。学芸員からあった鑑賞前の予備知識の紹介に縛られすぎず、子供たちが作品と楽しく向き合っている姿が印象的でした。学芸員にとっても子供からの視点で語られる資料は驚きと発見があり楽しいのです。

 今年度のテーマでもある「近くで見よう、ホンモノの美術作品」の名のとおり、子供たちには実際に至近距離から作品を見てもらいました。表面を見て「ザラザラしてそう!」「キラキラしてる!」など、絵と自分たちを隔てる物がないからこその感想が聞こえてきました。また、触る事の出来た彫刻の動物たちには愛着がわいて、仕舞う直前まで別れを惜しみ、頭をなで続ける子もいました。子供たちが、作品を身近に感じてくれていると嬉しく思いました。

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 最後は彫刻を箱にしまう作業を見てもらっておしまいです。絵を出す作業の時より積極的に見に来てくれました。

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 今回ご紹介したのは1校だけでしたが、どの学校の子供たちも笑顔で積極的にミュージアム・キャラバン隊を楽しんでくれていました。この活動を通して彼らの毎日に少しでも楽しみが増えますように!

 今年度ミュージアム・キャラバン隊「近くで見よう、ホンモノの美術作品」でおじゃましたのは以下の6校です。たくさんのご応募ありがとうございました。

● 伊万里市立山代西小学校(9月20日) 

● 伊万里市立山代西小学校(9月20日) 

● 太良町立大浦小学校(10月3日) 鹿島市立七浦小学校(10月3日)

● 佐賀県立中原特別支援学校(10月12日)

● 佐賀市立思斉小学校(10月27日)

● 小城市立晴田小学校(10月27日)


(文責 当館職員 谷頭 舞姫)