第54回あらかしコンサートを開催しました!
2月28日(金曜日)、通算54回目となる「あらかしコンサート」を美術館ホールにて開催しました。
今回ご出演いただいたのは、サヌカイト奏者の小松玲子(こまつ・れいこ)さんです。
県立博物館で開催中のテーマ展「岩石のいろカタチ」にちなみ、石に関する音楽について調べる。
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サヌカイト演奏の第一人者(小松さん)がいらっしゃることが分かる。
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早速小松さんにラブコールを送って出演いただけないか相談したところ、快諾のお返事が......!
という経緯で実現した今回のコンサート。
演奏者も、そして楽器も極めてレア。
楽器は、「あらかしコンサート」のために楽器製作者の方が香川から佐賀へ車で運んでくださいました。
「サヌカイト」とは、約1300万年前に噴出したガラス質の安山岩、つまり岩石です。
香川県の旧国名である讃岐(さぬき)で産出することから、その名にちなんで名づけられました。
佐賀県でも多久などで産出しており、石器生産に関する遺跡が多数発見されています。
昨年は夏休みこどもミュージアムで「"サヌカイト"で石器づくり体験」を実施しましたので、「石器の材料」という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この岩石の、叩くと澄んだ金属音を発するという特徴(この特徴ゆえに「カンカン石」と称されることもあります。)を活かし、前田仁(まえだ・ひとし、1929~2008)さんにより創作されたのが、今回登場した楽器です。
今回は、釣鐘型の「琮(そう)」と、木琴や鉄琴のような形の「石琴」をご紹介いただきました。
↑琮を演奏する様子を下から写した写真。
円柱の上に湯呑を被せたような形の二重構造になっています。
不思議なことにこの構造でこそ美しい音が鳴るのだとか。
コンサートでは、小松さんのオリジナル曲「LOVE LETTER」「青空をミツメテ」「秘かな水瓶」「糸」「波紋」「Kukai」「mandala」ほか、「さくらさくら」「アメージング グレイス」「星に願いを」を演奏いただきました。
どの曲も、高く澄んだ中に温かみを感じさせるきらきらとした音色の連なりや、優しく響きあう余韻が美しく、素晴らしい演奏でした。
コンサート中には、小松さんがサヌカイトそのものや楽器のことを紹介してくださる場面も。
↑香川県のサヌカイト(左)と、佐賀県のサヌカイト(右)。
※佐賀県のほうは約800万年前につくられたものです。
同じ「サヌカイト」でも、産地によって、色合いや打ち鳴らしたときの音の響きにかなりの違いがあるようで......
とても興味深いですね!
ご来場の皆様からも、
「サヌカイトの楽器の音色を初めて聴いた。とても素晴らしかった!」
「音色にとても癒されました」
「『星に願いを』はまさにサヌカイトのための曲だと思った」
等々、うれしい感想を沢山頂戴していました。
今回のあらかしコンサートは久しぶりの平日夕方~夜の開催となりましたが、120名の皆様にご来場いただきました!
素晴らしい演奏を通じて、皆様に癒しのひとときをお送りできたなら幸いです。
(記:岩永)