佐賀県立博物館|佐賀県立美術館

REPORT学芸員だより

「最上大業物 忠吉と肥前刀」展、博物館で好評開催中です

2019年04月22日 展覧会

博物館では、4月12日より、「最上大業物 忠吉と肥前刀」展を3号展示室で開催しています。
昨今の刀剣ブームで、全国的に日本刀に大きな注目が集まっていますが...、実は肥前佐賀の国も、江戸時代には刀剣の一大生産地であったことをご存知ですか?
佐賀藩主鍋島家の庇護のもと、刀剣づくりの職人(刀工)たちにより優れた品質の刀が数多く作られました。
その中心になったのが、鍋島家お抱えの御刀鍛冶「忠吉(ただよし)」とその一門です。
今回のテーマ展示では、忠吉一門の手による刀剣の名品・優品を中心に、鎌倉から江戸時代までの佐賀にゆかりのある刀の数々を展示しています。

肥前刀展展示風景1

余計なものの一切が削ぎ落とされたような、「用の美」の美しさを備え持つ日本刀。
とりわけ忠吉一派が生み出した刀剣、いわゆる「肥前刀(ひぜんとう)」は、江戸時代の刀の番付で最上位にあたる階級「最上大業物(さいじょうおおわざもの)」に認定され、将軍家をはじめとした各地の大名等に愛されました。
(肥前刀と忠吉一門については、佐賀県の「肥前刀」紹介のページにも詳しい解説が掲載されています)。
じっくり観察すると、それぞれの刀の個性や、刀工ごとの作風の違いも見えてきますよ。
「刃文」(刀身にあらわれる、白銀色の模様のこと。真っ直ぐに近いものや波のような形のものまで様々)の違いなどにもぜひ目を凝らしてみてくださいね。



刀剣を握る柄(つか)と刀身の間に取り付けた金具である鐔(つば)も、中央ケース内に展示しています。
透かし彫りで動植物をかたどったものなど、どの鐔にも繊細な意匠が施されています。武士たちの美意識が垣間見えます。
職人たちの粋を集めた刀の装飾にも、ぜひご注目ください。

展覧会は博物館3号展示室で、7月15日(月曜日・祝日)まで開催しています。また、会期中に資料の展示替えを予定しています。詳細は展覧会ページでご確認ください。



ぜひお越しください!