佐賀県立博物館|佐賀県立美術館

REPORT学芸員だより

一宮市三岸節子記念美術館で、当館蔵の岡田三郎助《自画像》が展示されています!

2021年02月12日 その他

愛知県の一宮市三岸節子記念美術館では、現在「自画像展 ~ひとみの中に自分がいる~」が開催されています。
この展覧会に、当館所蔵の岡田三郎助作品《自画像》を貸与し、現在、同館で展示されています!

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三岸節子は、岡田三郎助が女子美術学校(現在の女子美術大学)で教鞭をとっていた頃の教え子で、数回にわたり、岡田の絵のモデルになるなど親しく交流しました。
彼女はアカデミックな作画の基礎を岡田のもとで身につけながらも、その画風にとどまることなく、荒々しいほどに自由闊達な色彩とタッチで次世代の洋画界を牽引し、また当時の女性画家の代表格として活躍しました。
本展は三岸節子と関わりがあった画家を中心に、日本洋画界で活躍した画家たちによる「自画像」を一堂に紹介した展覧会であり、そのなかの一点として三岸の師であった岡田の自画像も紹介されています。

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本作はなんと、展示室入口でお客様のお出迎えまでしているそうです(右上のフラッグの作品)!

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当館蔵の岡田の自画像は、1899(明治32)年に、彼が当時留学していたフランスで描かれたものです。
洋服で正装し、わずかに微笑みをこちらへ投げかける表情からは、若き岡田の胸にあふれる前途洋々たる希望が感じられるようです。
当館蔵 岡田三郎助《自画像》について、詳しくはこちら
ちなみに三岸節子記念美術館の方によれば、本作は女性のお客様から「岡田先生、男前!!」と大人気を博しているのだとか(笑)。

画家たちの心に秘めた思いが垣間見られるような、個性豊かな自画像を特集した展覧会です。会期は3月14日(日曜日)まで。愛知県にお立ち寄りの際はぜひご覧ください。

一宮市三岸節子記念美術館 企画展「自画像展 ~ひとみの中に自分がいる~」(外部ページにリンクします)

また、岡田三郎助作《自画像》は今後も、機会をとらえて当館OKADA-ROOMでも展示する予定です。こちらもどうぞお見逃しなく!