[テーマ展] 唐津焼をたずねて
※この展覧会は終了しています。
唐津焼は、1580年代に当時の唐津・松浦地域の戦国大名である波多氏が連れてきた朝鮮人陶工によって、唐津の岸岳周辺で作り始めたといわれています。その後、文禄・慶長の役(1592年~1598年)で、九州の諸大名が多くの陶工を連れ帰ったことにより各地でやきもの文化が花開きました。
その一方で、陶工たちを庇護していた波多氏は、文禄3(1594)年に失脚し、それに伴い岸岳周辺の陶工たちは伊万里や武雄などの県の北西部~南部地域に移っていきました。
これにより唐津焼は唐津地域では一度は途絶えましたが、江戸時代中期になると陶工が戻り再び作られるようになりました。その伝統と技術は今も受け継がれ、唐津焼はその伝統を守りつつ今も進化を続けています。
今回の展覧会では、古唐津の作品や窯跡出土の陶片により唐津焼の歴史をたずねるとともに、その流れを汲む14代中里太郎右衛門氏をはじめとする8人の唐津焼作家の作品により、唐津焼の今と昔の魅力を紹介します。
本展を陶磁器の発展に大きく関わったこの地で開催することにより、唐津焼の歴史とともに現代陶芸の美をご堪能ください。
会期 | 2016年10月7日(金曜日)~11月13日(日曜日) |
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会場 | 佐賀県立名護屋城博物館 企画展示室 |
観覧料 | 無料 |
主催 | 唐津焼展実行委員会、佐賀県立名護屋城博物館 |
休館日 | 月曜日(ただし、10月10日は開館、10月11日は休館) |
展示資料・作品
(1)古唐津とその魅力
古唐津の茶陶作品や、唐津・伊万里市内の古窯跡から出土した陶片を中心に唐津焼の歴史を紹介します。
- 伝世資料
鉄絵沓茶碗(県立九州陶磁文化館蔵)
叩き朝鮮唐津耳付水指(唐津市教育委員会蔵)
絵唐津片口(唐津市教育委員会蔵) - 陶片資料
彫唐津碗(飯洞甕窯跡出土、唐津市教育委員会蔵)
耳付水指・絵唐津向付(焼山窯跡出土、伊万里市教育委員会蔵)など
(2)現代の唐津焼作家たち
[出品作家] 50音順
岡本作礼(作礼窯)
梶原靖元(飯洞甕窯)
川上清美(川上清美窯)
栗原流石(工房流石)
14代中里太郎右衛門(中里太郎右衛門陶房)
中里太亀(隆太窯)
藤ノ木土平(土平窯)
丸田宗彦(内田皿屋窯)
会期中のイベント
(1)オープニングギャラリートーク
10月7日(金曜日)のオープン初日は10時30分、14時の2回行います。初回は14代中里太郎右衛門氏を予定。
(2)ギャラリートーク(当日在館する作家による)
毎週土曜日・日曜日および祝日に開催。時間は13時~14時。
(3)記念講演会およびシンポジウム
日時:2016年10月16日(日曜日)13時30分~16時
会場:本館ホール
基調講演:「唐津焼の成立と展開」村上伸之氏(有田町教育委員会文化財課長)
シンポジウム:「唐津焼をたずねて」
14代中里太郎右衛門氏ほか
呈茶イベント
出品作家が制作したお茶碗でお抹茶を楽しむことができます。
期間:2016年10月7日(金曜日)~11月13日(日曜日)
会場:茶苑海月(本館から徒歩5分)
料金:500円(お菓子付)