テーマ展「螺鈿と蒔絵ー美しさをまとうー」
※この展覧会は終了しています。
展示概要
螺鈿と蒔絵は、どちらも古くから伝わる漆器の装飾技法です。
螺鈿とは主に東アジア地域で盛行した技法で、真珠層を持つ夜光貝やアワビ貝などの
貝を加工し、接着剤の役割を持つ漆の上に貼ること、もしくは木質に直接嵌め込むこと
で、文様等を表したものです。
一方の蒔絵は、日本で独自に発達を遂げた技法で、螺鈿と同様に漆を接着剤として用
い、その上から金や銀の粉末を「蒔く」ことで、平面的だけでなく立体的にも文様を表
現することができます。
双方ともに大変美しく、かつ高価であったため、主に上流階級や資産家などの富裕層
に好まれました。中・近世には、螺鈿や蒔絵の漆器は遠く海を越えてヨーロッパへも運
ばれています。現代においても、その美しさは私たちを魅了してやみません。
今回の展覧会では、名護屋城博物館が所蔵する朝鮮時代の螺鈿漆器を一堂に展示する
とともに、同時期の日本で制作された蒔絵として、豊臣秀吉が慶長2(1597)年に大坂
の鍋島邸を訪れた際に入浴道具として設えられたとされ、小城鍋島家へと伝来した蒔絵
什器をはじめ、佐賀県内に残る様々な蒔絵の優品を紹介します。また、日本や朝鮮に大
きな影響を与え、螺鈿の本家ともいえる中国で制作され、佐賀県内に伝わった螺鈿琵琶
も展示します。
会期 | 令和2年(2020年)6月19日(金曜日)~8月16日(日曜日) |
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会場 | 佐賀県立 名護屋城博物館(企画展示室) |
内容 | (1)朝鮮半島の螺鈿 (2)吉祥の螺鈿家具 (3)螺鈿で描かれた龍 (4)蒔絵ー桃山・江戸時代の美ー (5)中国の螺鈿 |
出品点数 | 約30点 |
観覧料 | 無料 |
主催 | 佐賀県立名護屋城博物館 |
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、名護屋城博物館においても対策を行うとともに、
お客様にも入館時のマスク着用、アルコール消毒等のご協力をお願いしています。
螺鈿雲龍円文衣装函(朝鮮時代後期)(当館蔵)
黒漆花鳥文螺鈿琵琶「孝鳥絃」(明代)
(佐賀県重要文化財・佐賀県立博物館蔵)
立葵蒔絵螺鈿箏(桃山~江戸時代初期)(佐賀県重要文化財、多久市郷土資料館蔵)
会期中のイベント
なごや歴史講座
6月21日(日曜日)「昭和期の玄海捕鯨」
7月19日(日曜日)「螺鈿と蒔絵」
いずれも13時30分から15時、本館ホールにて開催
料金:無料(事前申込等も不要です)
ギャラリートーク
7月11日(土曜日)・12日(日曜日)、8月8日(土曜日)・9日(日曜日)・10日(月曜日祝日)
担当学芸員:飯田周恵
※Social distancing(社会的距離の確保)のため、人数はおおむね20名以内(原則先着順)とさせていただきます。
※参加者の皆様にはマスクを着用していただき、2mを目安として対人距離の確保をお願いします。
展示パンフレット
テーマ展「螺鈿と蒔絵ー美しさをまとうー」に関連した展示パンフレットを配布しています。