テーマ展 歓迎!朝鮮通信使

6年余り続いた文禄・慶長の役における戦乱は、豊臣秀吉の死去によって終息に向かいました。対馬の宗氏を軸に開始された国交回復交渉は、1607 年に至ってようやく実現し、その後江戸時代を通じて12 回の朝鮮通信使が来日しました。
通信使一行は正使・副使を筆頭に500 人を超える使節団であり、幕府もその受入れを大規模な国家行事に位置づけ、大名は宿舎の設置や道路の整備など入念な準備をおこないました。また、通信使の来日にあわせて庶民向けにガイドブックが刊行されたほか、滞在中には儒者や文人が宿舎を訪ね、詩文を通じた交流も盛んに行われるなど、多方面における文化交流の機会となりました。
日韓国交正常化60 周年にあわせて開催する本展では、絵地図や古記録などの館蔵資料から、通信使を迎えた側の記録や交流の足跡を物語る書画などを御紹介し、250 年に及んだ日朝交流を支えた人々の思いに触れていただきます。あわせて、通信使を偲んで作成された絵画等も取り上げ、通信使との交流の記憶がその後も大切に語り継がれていった側面にもスポットを当てます。
かつて交流を支えた人々の思いやその歴史的な意義について改めて振り返ることで、今後のさらなる友好・交流の一助となれば幸いです。
| 会期 | 2025年12月19日(金曜日)~2026年2月8日(日曜日) 52日間 |
|---|---|
| 休館日 | 月曜日 (月曜日が祝・休日の場合は翌日) |
| 会場 | 佐賀県立 名護屋城博物館(2階 企画展示室) |
| 観覧料 | 無料 |
| 主催 | 佐賀県立名護屋城博物館 |
展示構成
| テーマ | 主な展示資料 ※特段の記載が無い資料は当館蔵 | |
| 1 | 朝鮮通信使とは | 朝鮮通信使行列絵巻(複製) 鍋島直茂あて豊臣秀吉朱印状 朝鮮国礼曹俘虜刷還諭告文(複製) 朝鮮国王李玜国書・徳川家斉返書(複製) など |
| 2 | 通信使を迎える |
東萊府使書契 |
| 3 | 歓迎!朝鮮通信使 |
朝鮮人行列次第 |
| 4 | 思い出とともに | 朝鮮通信使行列図(個人蔵・当館寄託) 朝鮮通信使行列絵巻 朝鮮通信使画像 朝鮮詩書徳利 など |
| 展示点数 | 約50点 |
期間中の行事
担当学芸員による展示解説
実施日:12月21日(日曜日)、1月18日(日曜日)、2月8日(日曜日)
時間:いずれも15時10分から20分程度
(15時まで開催する「なごや歴史講座」の終了後に行います)
代表的な展示資料
脚色された通信使絵図〔朝鮮通信使行列絵巻、江戸時代〕
人気を博したガイドブック〔朝鮮人行列次第、1748年〕

熊本藩士の視察記録〔対州御城下之図、1811年〕
新たに発見された朝鮮通信使行列絵図について
| 《朝鮮通信使行列絵図》 個人蔵 池内敏氏(名古屋大学大学院人文学研究科名誉教授)の調査により、これまで当館で所蔵してきた「朝鮮通信使行列絵図」4幅と当初一連のものであったと考えられる絵図7幅(個人蔵)が確認され、これらは江戸での通信使の様子を懐古的に描いた珍しい作品であったことが新たに判明しました。 本展覧会では、これらの絵図を初めて一堂に御紹介します。 |



