美術館玉手箱6「池田龍雄 前衛美術の道」
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戦後の国内において、既成の美術表現に飽き足らず、新たな美の創造を求め実験的作風を試みる美術作家たちが続々と登場します。「アヴァンギャルド(前衛)芸術運動」と呼ばれたかれらの活動、そのユニークな個性は、その後の日本の美術に大きな影響を与えました。
佐賀県伊万里市出身の池田龍雄(いけだ たつお/1928~)は、その代表的な作家の一人です。池田は兵役を経て、1948年に多摩造形芸術専門学校(現多摩美術大学)に入学、そこで岡本太郎らが主宰する「アヴァンギャルド芸術研究会」を知り、前衛美術表現へと傾倒していきます。かれは個展や各種グループ展等で自作を発表しながら、美術論の執筆、さらに演劇や映画制作にも関わるなど、多彩かつ旺盛な創作活動を続けています。
本展覧会では、現在も先鋭的な作品を発表し、美術界の第一線で活躍中の池田龍雄のペン画、オブジェを展示します。
会期 | 平成23年1月25日(火曜日)~3月13日(日曜日) |
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会場 | 佐賀県立美術館 1号展示室B |
展示資料 | 佐賀県立美術館所蔵の池田龍雄作品ペン画、オブジェ(立体作品) 計10点 |
観覧料 | 無料 |
ギャラリートーク |
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展示作品
番 | 作品名 | 制作年 | 材質 | 所蔵 |
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1 | ボタ山に働く人 B | 1953(昭和28) | ペン画 | 佐賀県立美術館蔵 |
2 | ちから | 1953(昭和28) | ペン画 | 佐賀県立美術館蔵 |
3 | 酒場「立川」 | 1954(昭和29) | ペン画 | 佐賀県立美術館蔵 |
4 | 戦利品 | 1955(昭和30) | ペン画 | 佐賀県立美術館蔵 |
5 | 覆面 | 1956(昭和31) | ペン画 | 佐賀県立美術館蔵 |
6 | 砦 | 1958(昭和33) | ペン画 | 佐賀県立美術館蔵 |
7 | 砦 | 1959(昭和34) | ペン画 | 佐賀県立美術館蔵 |
8 | 百仮面 | 1962(昭和37) | ペン画 | 佐賀県立美術館蔵 |
9 | ストリッキング | 1990(平成2) | オブジェ | 佐賀県立美術館蔵 |
10 | 火の法則 | 1991(平成3) | オブジェ | 佐賀県立美術館蔵 |
池田龍雄 いけだ・たつお 1928(昭和3)年~
伊万里市二里に生まれる。昭和23年多摩造形芸術専門学校(現多摩美術大学)に入学。翌年安部公房、岡本太郎らのアヴァンギャルド芸術運動に参加。同25年第2回読売アンデパンダン展に初出品、以後ほぼ毎年出品。同39年に同展実行委員長をつとめる。また同35年の「超現実絵画の展開展」(東京国立近代美術館)をはじめ、同56年「1960年代-現代美術の転換期」展(京都国立近代美術館、東京国立近代美術館)、同61年「前衛芸術の日本1910-1970」展(パリ、ポンピドゥ・センター)等、多数の美術館企画展に出品。平成22年山梨県立美術館、川崎市岡本太郎美術館、福岡県立美術館(平成23年1月29日から)で回顧展「池田龍雄-アヴァンギャルドの軌跡」が開催された。東京都練馬区在住。
著書に『絵画の距離-キャンバスの裏から』(創樹社、1980年)、『夢・現・記 一画家の時代への証言』(現代企画室、1990年)、『蜻蛉の夢-記憶・回想そして絵画-』(海鳥社、2000年)、『芸術アヴァンギャルドの背中』(沖積社、2002年)がある。また『ないたあかおに』(浜田広介著、偕成社、1965年)等、挿絵画家としても活躍。