佐賀県立博物館|佐賀県立美術館

EXHIBITION展示案内

考古・歴史・美術・工芸

博物館3階 2号展示室

2号展示室の様子 この展示室では、現在の佐賀県域に人が住み始めた旧石器時代から明治維新までの歴史を、考古資料や歴史資料(古文書・絵図)、美術工芸資料(仏像・陶磁器・絵画)などで紹介しています。対外関係をキーワードとする佐賀県の歴史を見ることができます。

展示項目と主な展示資料

※主な展示資料は、展示替えにより展示していないこともあります。
 詳細はお問い合わせください。

文明のおこりと佐賀

1 狩りと採集の日々 (1)石器を作った人々 尖頭器(槍先、多久市茶園原遺跡出土)
(2)縄文土器の世界 縄文土器甕(鳥栖市平原遺跡出土)
(3)縄文人の生活誌 編籠(有田町坂の下遺跡出土)
2 稲と銅と鉄と (1)水田稲作と支石墓 炭化米(唐津市菜畑遺跡出土)
(2)弥生のくらし ジョッキ形土器(基山町千塔山遺跡出土)
(3)ムラからクニへ 方格規矩四神鏡(中国の鏡、唐津市桜馬場遺跡出土)
(4)マツリの装い 有柄細形銅剣(吉野ヶ里町・神埼市吉野ヶ里遺跡出土)
※縄文・弥生体験コーナー

古代国家への歩み

1 古墳と豪族 (1)古墳の形成と分布 石棺(佐賀市熊本山古墳出土)
短甲(同上)
(2)豪族の支配と人々のくらし 青銅製三環鈴(佐賀市関行丸古墳出土)
2 肥前国の成立 (1)国府と城 肥前国関係荷札木管(複製)(奈良市平城宮跡出土)
(2)仏教の広がり 軒丸瓦・軒平瓦(佐賀市国分寺跡出土)
(3)風土記と万葉 石帯(佐賀市肥前国府跡他出土)

D 肥前国と武士団

1 荘園の時代 (1)肥前国と荘園 木製鞍・青銅製箸(吉野ヶ里町下中杖遺跡出土)
(2)山岳仏教と末法思想 瓦経(佐賀市肥前築山経塚出土)
2 武士の時代 (1)鎌倉幕府と肥前国 佐嘉御領小地頭等連署申状案(複製)
(2)蒙古襲来 蒙古襲来絵詞(複製)
(3)南北朝・室町期の九州 今川了俊書下写
(4)海の武士団松浦党と倭寇 倭寇図巻(複製)
3 いのりとくらし (1)中世のくらし 青磁碗(吉野ヶ里町下中杖遺跡出土)
(2)信仰と文化 菩薩形坐像、楊柳観音像、円鑑禅師像
4 中世から近世へ (1)龍造寺隆信とその時代 龍造寺隆信像、龍造寺隆信書状
(2)朝鮮出兵と肥前名護屋城 肥前名護屋城図屏風(複製)、絵唐津柳文深向付

佐賀藩と近世社会

1 徳川幕府と佐賀藩 (1)諸藩の成立 鍋島勝茂書状
(2)ア 長崎警備と佐賀藩 長崎警備図屏風
(2)イ 島原の乱と佐賀藩 原城攻撃軍配図、島原記
(2)ウ 葉隠の成立 葉隠聞書
2 武家のかたち 肥前刀、甲冑
3 教育と文化 (1)藩校と私塾 古賀穀堂像
(2)近世の文化 色絵楼閣婦人文大皿、色絵花蝶文輪花深鉢、青磁耳付花器
4 幕末・維新の激動 (1)異国船の渡来と開国 ロシア使節来航図
(2)ア 近代科学技術の導入-火術方と精煉方- 佐賀藩精煉方絵図(複製)、精煉方銘薬壺
(2)イ 長崎海軍伝習所と佐賀藩 スンビン号模型
(2)ウ 1867年パリ万博と佐賀藩 パリ万博出品カタログ類
(2)エ 佐賀藩の洋学研究-好生館と致遠館- 伊東玄朴手澤和蘭辞典

近代の佐賀

1 国家と地方 (1)廃藩から佐賀県再置まで 征韓論之図、地券
(2)明治の群像-政治・産業・教育- 米欧回覧実記
(3)近代化と人々のくらし

蓄音機(ビクター社製)、ラジオ 等

展示資料ダイジェスト

※展示替えのため、ダイジェストに掲載されている資料が展示されていないこともあります。

詳細はお問合せください。

流雲文縁方格規矩四神鏡(りゅううんもんえんほうかくきくししんきょう)

流雲文縁方格規矩四神鏡の展示状況

唐津市桜馬場遺跡出土 重要文化財

 直径23センチメートルを超える大型の銅鏡で、1世紀頃の中国「新」王朝か後漢王朝の官営工房で造られた優品です。鏡の名称は背面の文様によるものですが、双六に類する遊戯の盤面文様に起源すると言われています。方形区画(方格)の内側には十二支の文字を3字ずつ並べ、その外側の主文帯にはアルファベットのT・L・Vに似た規矩文を配しています。そしてその間に東西南北を司る青龍・白虎・朱雀・玄武の四神と神人・霊獣などを表しています。43字の銘文は神仙思想に基づくもので、仙人の不老長寿たる様が詠われています。この鏡を所持した末盧(まつろ)地方の首長はおおいに民衆の尊敬を集め、その権威を高めたに違いありません。

ガラス製管玉(がらすせいくだたま)

ガラス製管玉 吉野ヶ里遺跡出土

吉野ヶ里町・神埼市吉野ヶ里遺跡出土 重要文化財 国所有(佐賀県立博物館保管)

 甕棺下甕のほぼ中央の底部寄りの部分から、有柄銅剣とともに大小さまざまな79点のガラス製管玉が出土しました。

ガラス製管玉は、中国湖南省長沙産の原料で、巻抜き技法によって作られたものと考えられます。殆どのものは鮮やかな色はコバルトブルーですが、一部には風化により白色の螺旋状模様がつくものもあります。

また、これらの原料は中国産ですが、どこで制作されたものかは今のところとわかっていません。

三環鈴 (さんかんれい)

三環鈴の展示状況

佐賀市関行丸古墳出土 佐賀県重要文化財

 関行丸古墳は背振山地南麓に連なる古墳群の中でも代表的なものの1つで、推定全長55メートルの前方後円墳です。三環鈴は3個の銅鈴を環状につないだもので、朝鮮半島に起源を持つ馬具あるいは装身具と推定されています。

神像 (しんぞう)

神像の展示状況

 脊振山中に伝えられたと言われる神像です。

 右の4体が南北朝時代、左の2体がそれにあわせて室町時代に制作されたものです。彩色も当時のものが残っています。 

小城鍋島家伝来蒔絵什器(おぎなべしまけでんらいまきえじゅうき) 

小城鍋島家伝来蒔絵什器の展示状況

佐賀県重要文化財

 小城鍋島家に伝来した高台寺蒔絵の風呂道具です。慶長2(1597)年5月、豊臣秀吉が大坂玉造の鍋島直茂邸に訪問するにあたり、あつらえられたものとされています。写真の柄桶(えおけ)・桶(おけ)・柄杓(えしゃく)など同じセットのものが12点あります。

佐賀の磁器

画像
染付日本地図大皿
肥前・有田皿山
/天保期(1830~44)

 日本の磁器生産は17世紀初め、肥前・有田の地に始まりましたが、17世紀後半ごろからはオランダの東インド会社の手によってヨーロッパや東南アジアなどに大量に輸出されました。

 また、有田磁器に触発されてヨーロッパでも磁器が焼かれるようになり、同地の陶芸に大きな影響を与えました。常設展では、特にヨーロッパ向けに作られた有田焼や鍋島藩窯で焼かれた鍋島焼などを展示しています。

明治の群像

 江戸時代末、他藩に先駆けて西洋文明を採り入れ、藩士の教育に力を入れていた佐賀藩からは、次代を担う有能な人材が輩出されました。その中には、初代司法卿として法制の整備にあたった江藤新平、外務卿として明治政府の外交を担った副島種臣、内閣総理大臣を2度務めるとともに早稲田大学の創設者でもある大隈重信、西南戦争に際して日本赤十字社の前身である「博愛社」を創設した佐野常民など、全国的に著名な人物も数多くいます。

大隈重信
大隈重信
江藤新平
江藤新平
大木喬任
大木喬任
副島種臣
副島種臣
佐野常民
佐野常民
久米邦武
久米邦武
辰野金吾
辰野金吾
志田林三郎
志田林三郎
鍋島直大
鍋島直大
鍋島直彬
鍋島直彬

この他、佐賀出身の先覚者を展示しています。