OKADA-ROOM Vol.35 岡田三郎助・美の探究心-「下絵」と「技法」-
佐賀県立美術館は開館以来、明治から昭和初期にかけて活躍した佐賀県出身の日本近代洋画の巨匠岡田おかだ三郎助さぶろうすけ(1869~1939)の画業と人物を紹介しています。
当館の岡田三郎助コレクションは、油彩画の名作をはじめ、日本画、素描(デッサン)、版画、さらに彫刻や工芸品等多岐にわたり、彼の幅広い表現力と技法を網羅するものです。
今回はその中から、岡田が描いた「下絵」(エスキース)と、彼の絵画作品の「技法」について注目し、紹介します。女性像や風景画等、数々の名作を生み出してきた岡田は、その準備段階として多くの下絵を描いています。これらは完成作に比べ注目される機会が少ないですが、いずれも岡田の繊細な感性を感じさせる、優れた出来のものばかりです。
また岡田は、美に関するあらゆる事柄にこだわりを見せたことは有名です。それは表現技法、技術の探究にも表れていて、彼は油絵具だけでなくペン、パステル、また岩絵具による日本画も描き、さらには版画(主に銅版画)も手掛けています。その多彩な作品群に、彼のあくなき美の探求心を見る思いがします。
今回は、いつもとは少し違った角度から、「画人」岡田三郎助の美の世界をご紹介します。ぜひご覧ください。
OKADA-ROOMについては【こちら】
岡田三郎助アトリエについては【こちら】
1 会 期 |
令和7年8月7日(木曜日)~12月14日(日曜日) |
2 開館時間 |
9時30分~18時 |
3 休館日 |
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日) |
4 会 場 |
佐賀県立美術館 OKADA-ROOM (佐賀市城内1丁目15-23) |
5 観覧料 |
無料 |
6 その他 |
会期中、一部作品の展示替えを行います。 ※展示期間について 前期...8月7日(木曜日)から10月13日(月曜日・祝日)まで 後期...10月15日(水曜日)から12月14日(日曜日)まで |
出品目録(予定)
1 花の香(エスキース) 1903(明治36)頃 油彩・カンヴァス
2 天井画下絵 1906(明治39) 油彩・板 佐賀県立美術館
3 女の顔 1909(明治42)頃 油彩・カンヴァス 佐賀県立美術館
4 冠をつけた女の像 1909(明治42)頃 油彩・カンヴァス 佐賀県立美術館
5 風景習作 1916(大正5) 油彩・カンヴァス 佐賀県立美術館
6 婦人半身像下絵 1936(昭和11) パステル・紙 佐賀県立美術館
7 淙々園にて 1935(昭和10) 油彩・カンヴァス
8 五族協和 1936(昭和11) 木炭・カンヴァス 佐賀県立美術館
9 群像習作2 制作年不詳 鉛筆・紙 佐賀県立美術館
10 台湾神社(下絵) 大正時代 油彩・カンヴァス 佐賀県立美術館
11 富士山 1917(大正6) 油彩・カンヴァス 佐賀県立美術館
12 富士山図 制作年不詳 鉛筆・紙 佐賀県立美術館
13 教会 1899(明治32) ペン・紙 佐賀県立美術館
14 銅版画「船のある風景」 1902(明治35) 銅版画(エッチング)・紙 佐賀県立美術館 前期のみ展示
15 銅版画「田園」 1908(明治41) 銅版画(エッチング)・紙 佐賀県立美術館 後期のみ展示
16 八瀬の里 1906(明治39) パステル・紙 佐賀県立美術館 前期のみ展示
17 木版画「おさん」近松門左衛門「大経師」より 1922(大正11) 木版摺着色(白)・紙 佐賀県立美術館 前期のみ展示
18 坐婦 1929(昭和4) フレスコ・カンヴァス 佐賀県立美術館
19 新緑 1929(昭和4) 岩絵具・絹 佐賀県立美術館
20 裸婦(デッサン) 1936(昭和11) コンテ・紙 佐賀県立美術館
21 坐裸婦 制作年不詳 コンテ・紙 佐賀県立美術館 後期のみ展示
22 銅版画「帰途」 制作年不詳 銅版画(エッチング)・紙 佐賀県立美術館 後期のみ展示